2017年05月05日

「動的平衡」

録画消化に集いて積読消化。福岡伸一先生の「動的平衡」を1日で読み切りました。
以前(このブログ遡ったら6年前でした…!)読んだ「生物と無生物のあいだ」で福岡先生には好印象を持っていたので他の本も読みたいと思っていて、古本屋で見つけた時に買っておいたものです。最近古本屋減ったけど、やっぱこういう時のためにたまには買っておくべきだよなあ。

福岡先生の本は生物学系のお話でありながらそれを難しく感じさせない文章であるところがすごい。世の中に素晴らしい学者さんはたくさんいるだろうけど、平易な文章で専門外の人にもそれをわかりやすく伝えることのできる文才を持っておられる方というのは貴重なんではないかと思います。

専門書ではないので科学者たちの紹介から福岡先生のいろんな経験などを織り交ぜたり、身近な例を紹介しつつも様々な警鐘を鳴らし、生命は川の流れの中にあって実態はその淀みのようなものだとしています。表現が科学的というより文学的で面白いです。

私自身が科学に憧れを抱く文系出身者なので特に面白いのかもしれませんが、また福岡先生の別の本も読みたいなあと思いました。(また上手いこと本の紹介もされてるんだこれが)
posted by kasumi at 20:35| * Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月18日

「幸せになる勇気」

「嫌われる勇気」の続編、「幸せになる勇気」を読みました。

前作に続きアドラーの教えを平易な文章で教えてくれるのですが……文章としてはすらすら読めるんだけどやっぱり難しい。今作を読むにあたり「嫌われる勇気」を再読してから臨んだんですが、そもそも「嫌われる勇気」も奥深すぎて、私はまだ到底深い理解には及んでいないんだろうなあと思い知らされます。

ただ、理解できていないと思いつつも心に突き刺さる何かは間違いなくあるのです。
この2部作の「青年」に自己投影する部分がきっと多々あるんでしょうね(苦笑)、未熟な自分を思い知らされると言いますか。
この2冊はまだまだ読み返さなきゃいけないようです。

この1冊でも読めなくはない構成ですが、基本的には「嫌われる勇気」を読んで興味を持たれた方向けです。人生についてじっくり考えてみたいなら、2冊セットでぜひ。ただ読むだけならさほど時間はかかりません。理解するには……個人差が大きそうです。
posted by kasumi at 19:59| * Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月03日

「伝え方が9割」

昔は古本屋に行っても一番安い棚のものしか手に取らなかったんですが、最近は少々値が張っても話題になっているような本で自分も興味がそそられたら手に取るようにしています。
そんな1冊「伝え方が9割」。
数時間あれば読める比較的ライトな本でした。

うーん、よく売れているみたいだからと期待しすぎていたところもあるのかもしれませんが、正直言って私にはさほど響かなかったです。
もともと、新聞部なんてところに所属していたこともある私。言葉に対しては他の人より多少なりとも気を遣っているからなのかもしれませんが、「まあそうだよなあ」と思うところはあるにせよ、目新しいとは思えなかったというのが正直なところです。

ただ、こういうテクニックを体系的にまとめた本がなかったというのは確かかもしれないし、「トイレを綺麗に使っていただいてありがとうございます」的な表現が広がったのもこの本のおかげなのかもしれないので、「言葉」を普段あまり意識せずに使っている人には効果的かもしれません。

職場でいろんな人の文章や言葉を見聞きするのですが、文章を書く・作るということに不慣れな人がとても多いです。友達同士の軽いメールのやり取りならできるんでしょうが、ビジネスの書類を作るとなると一文を書くのにうんうん唸ってる人が多いです。これってやっぱり若いころから文章を読んだり書いたりの経験が少ないからなんじゃないかなあ。

偉そうなこと言えるほどのもんじゃありませんが、新聞や本を読むことや、日記を書くこと…今ならブログでもいいかもしれないですが、「言葉」を普段からもっと読んで、考えて、使ってほしい、そんな気がする今日この頃です。
posted by kasumi at 09:50| * Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月02日

「鹿の王」

上橋菜穂子先生の「鹿の王」上下巻を読み終えました。良作!

架空の世界なのでファンタジーと言えばファンタジーなのですが医療や生命科学の要素がすごく強く、でもそれだけじゃなくて登場人物たちもとても魅力的。そして事件の背後にいるものは誰なのかという謎解き的な要素もあり、もうなんだかお腹いっぱいです(笑)

ふたりの主人公、ヴァンとホッサル。彼らのみならずみんなそれぞれに懸命に生きている姿が素敵です。
そして上橋先生って守り人のバルサとタンダ然り、今作のヴァンとサエ、あるいはホッサルとミラル然り……なんだろうな、いやらしくない大人の情愛の表現っていうか……やっぱここらへんは女性ならではなのかなあ、上手いと思うなあ。

この作品、児童書として置かれている図書館とかもあるようですが、確かに文章はとても読みやすいんだけど大人でも読み応え十分。あちこちで書かれてますが地図や人物相関図が欲しくなるくらい。でもぜひ多くの方に読んでほしい作品です。

結末については……読者がその後を脳内補完すればいいんですよね、上橋先生。そんな終わり方でしたが、私は好きです。みんなに幸あれ!
posted by kasumi at 22:59| * Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月16日

「嫌われる勇気」

近くにあった古本屋2軒が相次いで撤退し途方に暮れていたのですが(^^;)、隣町のBookOffが思っていた以上に短距離であることに気づき、先日初めて訪れました。電子書籍にも手を出しだしたものの、やっぱり紙の本が良い場合もあるものです。ありがたや。

そしてそこで久々に面白いと思える本に出会えました。
「嫌われる勇気」。
ちょっと前に都会の本屋さんで見かけて気になっていたのですがその時は購入までは至らず。今回古本屋でまだ960円という値段だったのですがどうにもこの本に呼ばれている気がして(笑)思い切って購入したのですが、これが当たりでした。

アドラー心理学という、私にとっては初めて知る学問がベースになっている自己啓発の本……と言い切ってしまっていいのかな? いろいろ深くてジャンルを特定するのも難しいのですが、人生観というものを揺さぶられる本でした。
哲人と青年の対話形式なのでとても読みやすかったです。
ただ、万人受けするかどうかは微妙なところ。
私の場合はいまこの年齢で読んだから受け入れられたかもしれない。これがもっと若い時だったら納得できなかったような気もします。
……と言っても最後のほうはかなり私にとっては難解だったのでもう1回読み直そうと思っています。

本屋さんで手に取ってみて、興味をそそられたのならぜひ読んでみて欲しいと思う本です。


posted by kasumi at 22:47| * Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月10日

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

真夏はどうも暑すぎて本を読む気力も失っていたのですが、9月に入り少しずつ読書を再開。先日は古本屋にも久しぶりに足を運んでみたら、活字本が半額になっていたので何冊か買い込み。その中の一冊が数年前話題になった本書「もしドラ」です。
アニメ版も観てそれなりに面白かったんですが(ドラッカーを知るという意味で)、本を読むほうがその趣旨がよりよく伝わってきて面白かったです。ちょっと分厚い本なのですが字がそんなに詰まっているわけではないしライトノベルよりも容易なくらいの文章なので活字が苦手な人でもきっと大丈夫。逆に活字慣れしてる人には物足りないくらいかも。

アニメ版を観た時も感じたことですが、物語としてはちょっと無理があるというか(^^;
あくまでもこれは小説として楽しむ本ではなく、マネジメントを広く知ってもらうための手段として小説という手段を用いている本です。

「高校野球の女子マネージャー」=みなみちゃんを、自分に置き換えてみるとなかなかいろいろ考えさせられます。あえて普通の企業ではなく、高校野球を舞台にしたことがやっぱりポイント高いのかな、この本。だって高校野球でも可能なら一般企業はもちろん、いろんなジャンルにあてはめられそうだもん。かくいう私もいろいろ自分の周りに置き換えて考えてしまいます。

マネジメントって言うとビジネスマン(それも偉い人)だけが読んだらいい本と思ってしまいそうなところですが、実はそうじゃなくて誰にでも訴えかける物がある……というのが本書のねらい(たぶん)。
ちょっとでも興味があったら軽い気持ちで手に取ってみて損はないのかなと思います。
posted by kasumi at 22:48| * Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月10日

「すりへらない心をつくるシンプルな習慣」 (朝日新書)

気づけば今の会社に勤めて10年目。紆余曲折いろいろあったけれど、ここまで勤めてこられたのは人間関係が良かったからかなぁと思います。今の上司とも入社半年後からの付き合いなんですが、穏やかでいて頼りになるありがたい上司です。その方が貸してくださった本です。

これ自分で無意識に実践してるわ。ということも書いてあったし、ああこれ、ここをうちの上司は読ませたかったんだろうなぁということもいろいろあるし(苦笑)。というか、うちの上司もこーゆーことをいろいろ抱えてるんだろうなぁとかも思ったり。

読みやすいし、ちょっと心が疲れ気味かなぁっていうときにはいい本かもしれません。
「他人にすりへらされる人」「自分で自分をすりへらしてしまう人」…少なくとも現在の私は後者だな。そういう認識を持てるだけでも心の持ちようってちょっと変わるかも。

いま職場で、心や体の健康を損ねてる人が少なくありません。
心の健康も体の健康も、どっちが欠けてもしんどいです。
適度な負荷は必要だけど、突っ走りすぎないように気をつけなくちゃ。
posted by kasumi at 13:48| * Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月03日

「ブラックペアン1988(上・下)」(講談社文庫)

海堂尊氏の「ブラックペアン1988」を読み終えました。
思いのほか面白かったです。
いわゆるバチスタシリーズと同じ世界観の過去の話なので、あんな登場人物やこんな登場人物の若かりし日々が読めるというのも楽しいのですが、新たに出てきた人物たちも個性的で面白かったです。
佐伯教授……巌雄先生並にカッコイイかもしんない。そして渡海先生もまた然り。カッコイイ去り際。彼らのその後もまた読んでみたいと思わせられました。海堂氏はホントキャラ作りが上手いわ。
上・下巻ですがそんなにボリュームもないですしさらっと読めます。昼休み読書にはもってこいでした(笑)
posted by kasumi at 21:07| * Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月08日

「死因不明社会―Aiが拓く新しい医療」 (ブルーバックス)

海堂尊さんの「死因不明社会―Aiが拓く新しい医療」を読みました。ブルーバックス読むの何年ぶりだろうか……。

ブルーバックスなだけに小説ではなく一般向けの学術系の本ですが、海堂氏の小説に出てくるキャラクター(白鳥さんと葉子ちゃん)が出てきてわかりやすく説明してくれるので、海堂ファンなら読んでおいて良いかもしれません。
内容は「チーム・バチスタの栄光」等の氏の小説内でも訴えられている「Ai(オートプシー・イメージング)」の必要性を切々と説いているのでちょっとくどくも感じますが(^^;、氏の作品がなければAiをはじめとした本書で語られているようなことを知らなかったことも事実。こういったジャンルを読む機会もあまりないので読んで良かったかと思います。

ただやっぱり読書ペースが落ちました……小説ほどは楽しくないしやや専門的な部分もあるので(^^;
posted by kasumi at 09:07| * Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月12日

小説「亡国のイージス」

文庫本で「亡国のイージス」上・下巻を読み終えました。
随分前に映画版を観て以来気になっていたもののその分厚さ(1冊500ページ超)になかなか手が出ず、また読み始めてからも冒頭の重〜い展開になかなか読み進まず、最悪頓挫するかもと危惧していたのですが、上巻後半から一気に面白くなって、むしろ読むのをやめられなくなり、お盆休みに入ったこの二日で一気に読破しました。

危機的状況の中で国とは何かを問う反面、家族や人との繋がりをじっくりと描き、それぞれの不器用な生き様を通して事件の全容を追う展開。惨い描写もあるし、それこそ普段ラノベレベルの軽い本しか読んでいなかった自分にはいろんな意味で重い本でしたが、読んでよかったと思える本です。あと、ちょっとパトレイバー思い起こしました。こんな話好きだなぁ私(^^;

実は以前にテレビ放映されていた映画版を録画してあるので休み中に観ようと思っているのですが、以前観たときのアバウトな記憶を呼び起こすと、たぶんラストシーンの感動は小説のほうが上回っていた気がします。でも役者陣がゴーカなのであえてもう一回観てみます(笑)
posted by kasumi at 17:53| * Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月19日

「ジーン・ワルツ」(新潮文庫)

久々に海堂尊先生の作品を読みました。「ジーン・ワルツ」。映画にもなった作品ですが観てないですし、予備知識なしに読んでみたのですが、とりあえずこれまでの海堂作品同様読みやすく、個性的なキャラクターも多いので入り込みやすかったです。

今回のテーマは体外受精と代理母出産。マリアクリニックの妊婦さんたちの様々な事情を描きながら「当たり前に生まれてくること」のありがたみを教えられる1冊です。……が、主人公・理恵のあの行動は……女って怖い、の一言ではちょっと済まされないと思うなぁ。フィクションだからなんだろうけど……うーん、でも確かにここまで生殖医療が進歩するとそういうこともできちゃうんだ、と考えると空恐ろしい……。とりあえず、いろいろ考えさせられるのは間違いないです。

1巻完結なのでサクッと読めますが、なんでも「マドンナ・ヴェルデ」がこの作品と対になっているとか。そういえばドラマにもなってましたよね。うーん、これもいずれ読まなくては。
posted by kasumi at 21:04| * Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月04日

「天と地の守り人」(第一部〜第三部) (新潮文庫)

昼休み・電車移動・そしてこのGWを活用し、ついに上橋菜穂子先生の守り人シリーズ文庫版全10巻を読破しました!

はぁぁぁ、これはいろいろすごすぎる。
ファンタジーだの児童文学だの、そんな簡単なジャンル分けで片づけられるもんじゃない。作者が文化人類学者とういこともあり、視点が実に広く、それでいて堅苦しくない。
もちろんファンタジーや冒険といった要素もふんだんに盛り込まれているのだけれど、現代日本にもつながるような政治や宗教、人々の営み……。特にチャグムの成長につれ、世界を巻き込むレベルの壮大な話になっていき、この最終3部作ではそれぞれに対してそれなりの答えが描かれていて……見事だなぁ、と。

戦争の描写も結構シビアで、その中にあのタンダが放り込まれて……ううう、ネタバレになっちゃうかもしれんけどバルサがタンダと再会し、その左手を……のくだりがもう、「最高の愛情表現」って鼎談で書かれてるけどすごいんだこれが。とりあえず気になる人は読んでくれ!って感じ。

視点の広い物語だけど決してキャラクターの描写が粗末になることもなく、チャグムとバルサの再会にはハラハラドキドキさせられ、シュガの苦悩にこちらも同調し……気になるところは余すところなくきちんと描かれていて。

10巻読むのが全く苦になりませんでした。
アニメ見てちょっと気になった人はもちろん、そうでない方にもぜひ、老若男女にあらためてオススメ。そんなシリーズでした。
短編が最近出たようなのでまた文庫になったら読みたいなぁ。
posted by kasumi at 15:22| * Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月12日

「蒼路の旅人」 (新潮文庫)

お昼休み読書で「蒼路の旅人」を読み終えました。上橋菜穂子さんの「精霊の守り人」以下の守り人シリーズ第七巻にあたり、バルサは登場しないもののチャグムにとってとても重要な巻でした。

それにしてもチャグム……立派になって!
まだ若いとはいえ、国を背負うものとしての自覚を持ち、それでいて優しさも忘れず……本当に良い若者になりました。

この巻の最後でチャグムの取った行動がそのまま次巻への流れになっているので、引き続き「天と地の守り人」を読み始めています。このまま一気に最終巻まで読んでしまおうと思います。
posted by kasumi at 10:28| * Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月03日

2011年の読書メーター

昨年の読書メーターまとめ。
記録として残しておきます。

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2011年の読書メーター
読んだ本の数:104冊
読んだページ数:21957ページ
ナイス:0ナイス
感想・レビュー:件
月間平均冊数:8.7冊
月間平均ページ:1830ページ

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posted by kasumi at 17:21| * Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月01日

「ジェネラル・ルージュの凱旋」(上・下 宝島社文庫)

昨年読み残してしまっていた「ジェネラル・ルージュの凱旋」を読み終えました。

ズバリこの本は「速水先生カッコイイ!」に尽きました。
いやもうほんと、海堂氏の生み出すキャラクターはみんな魅力的だけど、速水は格が違う。翔子じゃなくても惚れるよそりゃ(笑)

今回は殺人が絡むわけではないのですが……というか絡まないからこそ、かな。今まで読んだシリーズの中で一番面白かったと感じました。速水のようなカリスマ的な人、こういう人は諸刃の剣なのかもしれません。でもだからこそ魅力的。私的にはハヤブサ・花房師長との最後のやり取りが特に嬉しかったー。ずっと黙ってついてきた彼女がこのまま報われないのではあまりにもだもの。翔子にはちょっと気の毒だけど、でも速水も言ってたように彼女にはきっともっといい男が現れると思うな。

でもこれでまた他の海堂作品をまた読みたくなってしまった……(^^;
守り人シリーズを積んでるのでいったん桜宮サーガは小休止する予定ですが、またその後あたりにでも続けて読んでみたいです。
posted by kasumi at 23:40| * Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月04日

「ナイチンゲールの沈黙」(上・下 宝島社文庫)

海堂尊氏の「ナイチンゲールの沈黙」を読み終えました。
忙しさもあったとはいえ上巻はダラダラ少しずつ読んで1か月近くかかっていたのですが、下巻に入ってからはすごく読み進むペースが上がって数日で読み終えました。白鳥さんが出てくると一気にペースが上がるから不思議。

今回の物語は「バチスタ」から9か月後。田口・白鳥コンビが再び登場するのはもちろん、次作のメインキャラ(未読ですが;)・速水先生も登場し、更には「螺鈿迷宮」の巌雄先生らについても言及があります。
でも彼らはあくまでサブ。今回は小児科病棟の患者と看護師、更には緊急搬送された歌手が登場。「歌」の持つ特殊な力、重い病と向き合わねばならない子供たち、医師や看護師の関係etcいろんなものが絡み合い、一つの殺人が起こる……といった感じ。

ミステリですが、ややSF・ファンタジーに近い設定も見受けられ、純然としたミステリ好きな方にはもしかしたら違和感があるかもしれません。でも実際のお医者さんが死亡時画像診断について訴えつつ、こういう話も書けるのかと、やっぱり海堂尊氏の創作能力には感服せざるを得ないです。

それにしても瑞人くんのカッコよさにはまいった。こんなカッコいい年下の男の子キャラはなかなかいないよ。それだけに彼の境遇や由紀との邂逅、病状……すべてが切ない。逆に小夜については正直、下巻に入ってからイマイチ共感できなくなったというか……境遇は気の毒なんだけど、瑞人くんが眩しすぎて霞んでしまったというか。

元々本作は「ジェネラル・ルージュの凱旋」とともに一つの作品だったところをページ数が多すぎたために別の作品として出したとか。という訳でこの後は「ジェネラル・ルージュ」を読もうと思ってます。上橋菜穂子さんの「蒼路の旅人」もゲットしているので悩んだんだけど、「ナイチンゲール」と「ジェネラル・ルージュ」の関係の強さを鑑みると先に読んだほうが勢いに乗れそうなので。

posted by kasumi at 22:42| * Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月23日

「螺鈿迷宮」(上・下 角川文庫)

「チーム・バチスタの栄光」で海堂尊氏の本をもっと読みたいと思い、何冊か積んでいるのですがそのうちの「螺鈿迷宮」を読破しました。

テーマがちょっと暗くて重いですが、でも個性的なキャラは相変わらずで、文体も読みやすかったです。おなじみの白鳥さんや、「バチスタ」で彼の台詞中に出てきた部下・氷姫こと姫宮も登場。いやー、この娘はいっそうアニメにしてほしい(笑)。でもこの作品はちょっと映像化は難しいかなぁ、グロくて(汗)

主人公は落ちこぼれ医学生の天馬大吉くん。彼が名前とは真逆の持ち前のアンラッキーぶりを発揮し、とある病院への潜入取材を敢行する中でやがて深い闇を見ることになり……という感じの医療ミステリ。

ミステリー度はバチスタより高いかも。ちょっと出来すぎ感のある部分もありますが、それを差し引いても天馬くんの身の上が「そこでそう繋がるのか!」となるし、最後の最後で「やられた!」と思ったし。ミステリーあんまり読んだことがないからかもしれませんが、面白かったです。

それにしても作者はすごいな。娯楽性のある小説として描きつつ、自身の訴えたいテーマを盛り込む。通常、専門家でしか討議されないような話題をこういう形で一般に広められる文章力と速筆(だってもう何シリーズ書いてるんだかこの人……)には感服。だいたい、現役のお医者さんなんだから忙しいだろうにどうやったらこんなに文章書けるんだろう……。私みたいなしがない事務員もどきでも帰ってきたらクタクタで年々創作活動から遠ざかっているというのに(汗)。仕事が忙しくて何もできない、なんて言い訳しちゃいかんなー。きっと要は情熱なんだろうな。作者がAiの件を強く訴えるように、熱く何かを持って生きて行きたいもんです。

……なんか話がそれてしまいましたが、海堂尊はやっぱおもしろいです。続けて「ナイチンゲールの沈黙」を読み始めました。……と思ったらいきなり冒頭に「螺鈿迷宮」の重要人物・巌雄先生らしき人物が! うわぁーん、巌雄せんせぇー。渋くて好きだったんだようー!
というわけで「ナイチンゲール」も楽しみに読み進めていきたいと思います。
posted by kasumi at 22:28| * Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月28日

「イノセンス After The Long Goodbye」

かなり前から積んでいた小説「イノセンス After The Long Goodbye」をようやく読破しました。映画「イノセンス」の一歩手前の時間軸でのバトー視点の物語です。

この本は、押井守版の攻殻機動隊およびイノセンスにおけるバトーさんが好きな人限定向けかもしれません。とりあえず9課で出てくるのはトグサくんのみ(それもあくまで脇役)、あとは少佐の名前が時折バトーの心理描写の中に出てくるくらいで。間違ってもSACしか見たことのない人が見るとあまりの空気の違いにパニックを引き起こすような気がするので(^^;、あくまでも押井版の映画が好きでないと辛いと思います。

でもあーゆー切ないバトーさんが好きな人にはたまらない本かもしれません。
「イノセンス」で登場するガブ(バトーの飼い犬)がこの本にも登場するのですが、愛情を受けた飼い犬、というのが今回の物語の大きな鍵になっています。

ライトノベルというには少々重い文体だし、読者層は限定されるものの、その限定される方々にはなかなかお勧めの本です。


余談ですが作者の山田正紀さんは土曜ワイド劇場の「おとり捜査官・北見志穂」の原作を書かれておられたのですね。何回かしか見たことないんですが蟹江敬三さんがいい味出してて好きなもので印象に残ってました(^^ヾ
posted by kasumi at 22:52| * Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月16日

「西の魔女が死んだ」(新潮文庫)

以前から気になっていた「西の魔女が死んだ」を読みました。映画は未見です。

いい話・泣ける話らしい、という評判は耳にしていたものの、果たして自分に合うものかどうか不安でしたが、忙しい日々を少し忘れて心を穏やかにするのに良い本だなぁと思いました。カテゴリ的には児童文学ということで文章も難しくなく、ボリュームも多くないので数時間で読み切りました。読むぞ!と意気込まずとも読める本です。

タイトルの「西の魔女」は主人公・まいのおばあちゃんのこと。魔女と言ってもファンタジーに出てくる魔女ではないのですが、英国出身の元教師で、今(まいの回想シーンというべきか)は自然豊かな場所でひとりカントリーライフを送っています。そこへ登校拒否に陥ってしまったまいがしばらく一緒に暮らす……というのが物語の始まり。

豊かな自然に囲まれた穏やかな暮らしぶりの描写が決してしつこくはないのだけれど丁寧で、その風景やおばあちゃんの上品な姿も自然と浮かんできます。
まいの思春期の不安定な心模様にも共感というか懐古の情というか、そんなものを覚えてすんなりと物語の中に入り込み……そして間に挟んであったチラシに書かれている通り、「最後の3ページ、涙が止まりません」でした。最後3ページは電車の中で読んじゃいけません(笑)

タイトルからしても想像がつくし、というか読み始めてすぐその結末自体はわかるんだけど、やっぱりそこへ至るまでの何気ない出来事の積み重ねがあって最後の結末に辿り着くと泣けます。でも決して暗い気分になる話ではなく、穏やかな、或いは清らかな、とか……そんな形容が合うようなお話でした。
まいと同世代の子たちが読むとどうなんだろう。また違った印象になるのかな。
大人が読むときっと疲れた心を癒してくれると思います。

posted by kasumi at 23:31| * Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月28日

『見てわかる、「断捨離」』

なんだかあっちの友人もこっちの友人も「断捨離」の本読んだよー、と言っていたのを思い出し、昨日久しぶりに本屋に出向いて『見てわかる、「断捨離」』という本を買ってみました。

いや、やるべきことはわかってるんですよ。確かにモノが溢れかえってるもの。職場でも「要るものと要らないものを明確にして、要らないものは捨てる」ということがよく言われるので、それを実践すればいいというのはおそらく私だけじゃなくみんな何となくはわかっているのだけれど実践しようとするとなかなか難しい。

今回の本に書いてあることも、まあ当たり前と言えば当たり前のことなんだけども、実例を交えて紹介してくれているのでちょっとイメージがしやすかったです。
運気が上がるとかいうあたりは個人差があるだろうけども(^^;、人生観にまで影響を及ぼすっていうのはありそうかも。
私の場合、冷蔵庫の中とかは案外大丈夫なんだけど、ファッションにこだわりがあるわけでもないのにやたら服が多かったり、紙袋とか「いつか使うかもしれないから」で置いていたり、あと貰いものなので実際使ってないんだけど捨てるには忍びない、というのがすごく多い。

私の場合は「もったいない」「使うことがあるかもしれない」と「人からもらった、選んでもらった」とかいうのが物を捨てられない要因になっているなぁ、とこの本を読んで改めて再認識できました。それにこだわるあまり、居住スペースを窮屈にしてしまっている。……でも実際やろうとすると悩みそうな気もするんだけど、この本に書いてあるように難易度の低そうな部分からでも少しずつ断捨離して、年末にはすっきりしたいなぁとか思うようになりました。


余談ですが古本屋には比較的頻繁に行くのですが普通の本屋さんに行ってじっくり本を眺めたのはすごく久しぶりな気がします。本屋さん自体が近所から随分なくなったし、Amazonとか便利になったというのもあるし、たまに待ち合わせの合間に行くことがあってもじっくりは見ないし。
で、断捨離本を求めて女性誌のあたりをうろついていたら、最近の雑誌は(フロクで)なんと分厚いことか。見たことがないわけじゃないんですが、改めて並んでいるものを見るとどれもこれもエコバッグとか美顔なんちゃらがついていて、これもまた時代なのねぇ、と一人でしみじみしておりました。
posted by kasumi at 09:04| * Books * | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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